「交通事件」に関するお役立ち情報
あおり運転の刑罰
1 あおり運転の厳罰化・創設
自動車を運転していると、後続車に車間距離を詰められ怖い思いをしたこと、幅寄せされたこと、追い越された次の瞬間急停車されたことなどはありませんか。
このような、いわゆる「あおり運転」は重大な事故を引き起こしかねない危険・悪質な行為です。
それにもかかわらず、令和2年に道路交通法が改正されるまで、「あおり運転」自体を取り締まる罰則はありませんでした。
道路交通法の車間距離不保持や急ブレーキ禁止違反など既存の規定で罰則を課すしかありませんでした。
しかし、そのような既存の罰則で課すだけでは、あおり運転は抑止されることはなく、上記の危険・悪質な行為に対する刑罰としては不適切でした。
そこで、令和2年、道路交通法の改正により、「妨害運転罪」が創設され、あおり運転自体に対する罰則が課されることとなりました。
2 あおり運転の刑罰
妨害運転罪に問われ、有罪となった場合、以下の刑罰が課されます。
1)通行妨害目的で交通の危険のおそれのある方法により、一定の違反をした場合
3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
2)上記1)の行為に加え、著しい危険(高速での停車等)を生じさせた場合
5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
3 あおり運転の対象
あおり運転として取り締まりの対象となる行為として10類型が挙げられ、妨害運転罪として、上記2の刑罰が課されることなります。
1)車間距離不保持(車間距離を極端に詰める)
2)進路変更禁止違反(急な進路変更)
3)急ブレーキ禁止違反(急ブレーキをかける)
4)追越しの方法違反(危険な追越し)
5)通行区分違反(対向車線へのはみ出し)
6)警音器使用制限違反(執拗なクラクション)
7)減光等義務違反(執拗なパッシング)
8)安全運転義務違反(幅寄せ・蛇行運転)
9)最低速度違反(高速道路での最低速度を下回る運転)
10)高速自動車国道等駐停車違反(高速道路での違法な駐停車)
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