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過失運転致死傷について弁護士に依頼するメリット

  • 文責:弁護士 宮城昌弘
  • 最終更新日:2026年4月7日

1 起訴前に依頼すれば、不起訴もしくは軽い処分が期待できる

過失運転致死傷罪に用意されている刑罰は、最大7年の拘禁刑または100万円以下の罰金刑となっており、決して軽く見ることはできません。

しかし統計上は、人身事故を起こし同罪で捜査対象となった人のうち8割以上が不起訴とされていますし、刑事処分を受けることになった人の中でも、拘禁刑を前提として正式裁判となった人と罰金で済む略式起訴をされた人の割合は1:10程度となっています。

つまり人身事故を起こしても多くの人は前科を付けることがなく、起訴されたとしてもさほど社会生活に影響のない罰金での処分に留まっているといえます。

ただ、多くのドライバーの方は損保会社を通じて被害者の方と示談交渉しているとはいえ、それだけで当然に処分を免れあるいは軽くできるとは限りません。

現在では任意保険が非常に普及しているため、被害者と保険会社を通じ示談し、賠償金が払われたとしても、司法関係者にはある意味当たり前ととらえられ、それだけで処分を回避するのに足る良い情状とはみなされにくいためです。

しかし、損保会社から支払われた賠償金を越えてドライバーが自腹でそれに積み増して金銭をお支払いし、改めて謝罪するなど被害者の心情へのケアを伴う「刑事示談交渉」を、損保会社がした「民事示談交渉」とは別に行うことによって、被害者からのお許しを得られれば、刑事処分を軽減する方向に大きな効果が期待できますが、それを行うことができるのは弁護士が交渉にあたる場合のみです。

人身事故を起こしてしまったがより確実に刑事処分を免れたい場合(例えば、罰金刑になっただけでも仕事を失う可能性のある一部の職業の方や、別の罪で執行猶予中の方など)には、検察官が処分を決める前に「刑事示談交渉」を行うべく、弁護士を代理人として交渉を試みるのが最善でしょう。

2 正式起訴された後でも、執行猶予獲得には有用

損保会社にお任せして示談が成立していても、あるいはそれに加え弁護士が被害者との交渉にあたっていても、なお検察官が重い処分が必要として正式起訴に至ることはあります。

特に被害者がお亡くなりになっている場合には顕著です。

示談により被害者の経済的損害が回復されていても、それはあくまでも刑事処分を見合わせあるいは軽くするために考慮される要素の一つに留まりますから、生じた損害が大きかった場合には、加害者であるドライバーの反省や再発防止のための努力行われているかといった他の要素が検察官に十分評価してもらえないとき、処分の必要性は失われていないとして起訴されることもあります。

また弁護士が被害者側との交渉を試みていても、死亡など重い結果が生じた場合にはご遺族やご家族の被害感情が強く、容易にはお許しの言葉までいただけないのは自然なことです。

そうした場合、示談成立が起訴後にずれ込み、正式起訴が阻止できないこともあります。

しかし起訴されてしまった場合でも示談成立の努力を継続し、また訴訟の中で被害者やご遺族がその心境を吐露する機会や加害者自身が自らの言葉で弁明や謝罪をする手続きが設けられるなどするにつれ、被害者側の処罰感情が緩み判決前に示談成立そしてお許しの言葉までいただける可能性は十分あります。

数字上は前科のない方がいきなり実刑判決を受けることは多くありませんが、実際に受けることになった場合には、それにより家族や職場と引き離されることになる社会的な不利益は極めて重大です。

そのため、過失運転致死傷罪で正式起訴されてしまったとしても、どうせ結果はあまり変わらない等と思うことなく、置かれた状況の許す限りで将来の事故再発を防ぎ被害者に寄り添う態度を示すためにも、弁護士の助力を得るのが望ましいでしょう。

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