Q&A
喧嘩で傷害罪になるのはどのような場合ですか?
1 喧嘩で成立する可能性のある犯罪
喧嘩をしてしまった場合に成立する可能性のある犯罪としては、暴行罪、傷害罪、傷害致死罪などが考えられます。
とはいえ、どのようなことをしたら傷害罪になるのか、どの場合に他の犯罪が成立する可能性があるのか等、よく分からないという方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、喧嘩をした場合に成立する犯罪についてご説明します。
2 それぞれの違い
⑴ 暴行罪
暴行罪は、不法な有形力を行使した場合に成立する犯罪で、二年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金または拘留若しくは科料に処せられます。
不法な有形力の行使には、殴る蹴るなどの暴行のみならず、胸ぐらをつかむ、つばを吐きかけるなどの行為も含まれる可能性があります。
⑵ 傷害罪
傷害罪は、相手方に傷害を与えた場合に成立する犯罪で、十五年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金に処せられます。
⑶ 傷害致死罪
傷害致死罪とは、人に傷害を負わせ、その結果死亡させたときに成立する犯罪で、三年以上の有期拘禁刑に処せられます。
3 喧嘩をして傷害罪になるケース
上記の違いから、傷害罪が成立するのは、喧嘩をして相手に対して殴る蹴る、胸ぐらをつかむなどの行為を行った結果、相手に怪我を負わせてしまった場合ということになります。
また、これらの行為をしたが相手が怪我を負うに至らなかった場合には暴行罪、相手を死亡させてしまった場合には傷害致死罪が成立することになります。
⑴ 基本的に喧嘩をした両者が罪に問われる
喧嘩の場合、お互いに殴る蹴るなどの暴行を加え合うこともありますが、自分も殴られたからといって何の罪にも問われない、というわけではありません。
相手から急に殴りかかられ、自分の身を守るためにやむを得ずに相当な限度での暴行を加えた場合など、正当防衛に当たるような状況でない限りは、基本的には喧嘩をした両者に犯罪が成立することになります。
⑵ 怪我を負わせるつもりはなかった場合
喧嘩をした際に相手に怪我を負わせるつもりはなかった、軽く押しただけで相手が転倒して怪我をしてしまったなど、予想外にも傷害という結果が生じてしまったという場合もあるかと思います。
しかし、このような場合であっても、傷害罪の故意が認められるかどうかは、このような行為をしたら傷害という結果が生じることが一般的に予見できるかどうかを基準に判断されます。
そのため、本人にとって予想外の怪我であっても傷害罪が成立する可能性はあります。
痴漢はどのような罪になるのですか? 刑事事件の弁護士費用はどのように決まりますか?